FiiO KA17のレビュー

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ここのブログでは主にゲームで使ったときのレビューをします。


実は別のブログを昔からやっていて、そちらの方ではオーディオ系の記事を書いているので、もしもっとオーディオ的な話を読みたければもう少しお待ちください。多分そちらでも書きます。

ということで、今回はタイトル通り「FiiO KA17」を購入したのでレビューします。

今のところ、購入方法は色々ありますが縁あってHiFiGOにて購入。リンクは以下です。アフィリエイト等は一切していません。

また、国内取扱が24/2/23から決定したので、保証を気にする方や国内の安心できるサイトで購入したい方はもう少し待ってみると良いでしょう。

国内正規品:eイヤホン / フジヤエービック / ヨドバシカメラ / ビックカメラ
並行輸入品:HiFiGO / BrightAudio Store

国内正規品は26,400円となっており、ポイント分の上乗せがあると多少高くなっています。

海外希望小売価格は$149.99で、日本円だと約23,500円で購入しました。(24/02/12時点)


Introduction

今回購入したFiiO KA17を紹介する前に、まずこの商品がどういったもので、どういった立ち位置の製品なのかを明確にしてからレビューに移りたいと思います。

現在、FiiOではポータブルアンプカテゴリの商品に3つのシリーズ・約4つのモデルを設けています。
そこらへんの経緯はだいたいこのブログ様(無断引用)が解説しています。

ポータブルアンプカテゴリでは「Qシリーズ/KAシリーズ/BTRシリーズ」の3つのシリーズが存在しています。

  • Qシリーズは従来からポタアンと呼ばれるカテゴリのシリーズで、接続は主に有線(例外アリ)・バッテリーあり大型ポータブルアンプです。一般的にスマホぐらいのサイズであり、スマホやDAPに重ねて運用されることが多いです。
  • KAシリーズはポタアンの中でもドングルDAC等と呼ばれる事が多いカテゴリのシリーズで、接続は有線バッテリーなしの小型ポータブルアンプです。スマホと接続することを主に想定している小型さであり、スマホ用イヤホン変換ケーブル(Lightning/USB-C to 3.5mm)がちょっと大きくなったものだと思ってくれればいいです。
  • BTRシリーズはBluetoothレシーバーと呼ばれるカテゴリのシリーズで、接続は主にBT(例外アリ)・バッテリーありの小型レシーバーとなります。スマホと接続することを主に想定している小型さであり、本体とスマホをケーブルで接続しなくても良いのが便利な製品です。

要は、デカいポタアン小さいポタアン小さくてBluetooth接続のポタアンというシリーズ分けですね。

そして、ナンバリングでいうとKA171アップグレードナンバー(第1世代と読み替えてもいいでしょう)、7グレードナンバー(1/3/5/7/9の5つがありますが、ラインナップによってはない番号もあります)です。

つまり、KA17はKAシリーズ第一世代の7グレードということで、上級グレード製品ということになります。KA19も出るという噂がありますが、今のところリリースされている中では最上級グレードです


Specs/Features

性能の話をしても分からないゲーマーの方が多いと思うのでサラッと行きます。

“DACチップにはESS社製のES9069Qをデュアルで搭載、アンプもTHX AAA 78+という新型を搭載、さらにデジタル・アナログ基板を完全に分離しているという拘り。また、USBコントローラにXMOS XU316を搭載し、低消費電力・低遅延を実現した。”(ここまで売り文句)

……んなの分かんねーよ!という方に簡単に説明すると、「高くていい音がする音関係の部品と低遅延を実現したよ!」ということです。
フラグシップモデルなので気合入った設計ですね。そして、特筆すべきはデスクトップモードの設定です。

デスクトップモードとは、専用の独立給電端子(USB-C)が備わっており、そこへ給電することで、アンプの出力を上昇させることができる機能です。かなり語弊のある言い方で簡単に説明すると、USB-Cで給電ポートへ追加で電源を接続すると音が良くなるらしいです。


Review

今回は主にデスクトップモード・ゲーミングPCで使用した感想を述べます。

まず、デスクトップモードで使用するには必要条件として5V/1Aが給電できる必要があります。一般的に使われている規格であるUSB2.0では5V/500mA、USB3.0では5V/900mAの電力を供給すると策定されているため、USBのTypeAで接続する場合は給電ケーブルとUSB充電器が必要となります。
ただし、データ用端子に5V/1Aが給電できる場合は独立給電端子に接続せずとも良いらしい。規格的には恐らく上位機種のマザーボードでThunderbolt端子がある場合、USB-C to Cケーブル一本で済むかも。(未確認)私は2本刺してレビューしているので結構ケーブルが邪魔。
また、KA17はいくつかのデジタルフィルターを使用できます。今回は特に拘りがないのでHybrid fast roll-offを使用してレビューしています。

音質

まず感じたのは音が柔らかい、という印象です。今までのFiiO製品といえば、明瞭で冷たく、硬質な音を鳴らすイメージがありました。これはK9 Pro ESSとかもそうで、ESSのDACを搭載しているモデルは恐らくそういったチューニングを意図的にしていたように思います。
が、今作は冷たさや硬質さ、トゲトゲしさがすこし穏やかになっています。明瞭ではあるが、低域~低中域が若干豊かになり全体的に音が太めになった感じ。空間の表現力が上がり、今までもあった定位の良さだけでなく音場の広さも感じられるようになった。イメージ的にはShanlingとかにちょっと近くなったように思います。(伝わらない)

平たく言うと色々なイヤホン・ヘッドホンでイマドキの音楽を聴きやすくなったと思ってください。

出力面でいうと、デスクトップモードの場合、一般的なイヤホンならローゲインでも過剰なぐらいの音量が取れます。より鳴らしづらいであろうヘッドホンでも約7割ほどの音量で鳴るのでかなり出力が大きいです。
具体的に言うと、入力を最大にした状態で、バランス接続のAFULのPerformer5で大体25%~30%の音量、アンバランス接続のDT990 Pro 250Ω版でも70%ぐらいの音量でだいたい同じぐらいの大きさの音が鳴ります。一般的なIEMなら十分すぎますね。

音量は本体で変更できるタイプなので、PC側の出力を100にして本体でボリュームを絞ることをオススメします。ボリュームピッチは60と120を選択できますが、細かくなって困ることがないので120で良いかと。

使用感

基本的な設定は本体から設定します。設定用にソフト等のインストールを必要としないのは嬉しいですが、設定する際に本体のボタンが少ないため、少し独特な操作感になっているのは注意。(設定をコロコロ変えることはあまりないと思いますが……)

約2週間ほどPCに接続して使用しました。Foobar2000等で使用するならASIOドライバーがあるのでそちらを使用するとより高音質で使用できます。リンクはコチラ。今回レビューで使用しているのはV5.58.0のドライバーです。

まず、PCゲームで使ってみた感じは遅延を感じることはありませんでした。主にValorantOW2といったゲームでテストしてみましたが、基本的に足音が遅延したりVCDiscordが遅延することはなく、リアルタイムでゲーム音や音声の伝達が必要なゲームにおいても充分な性能を持っていると考えます。
また、私は使用していませんが本体にイコライザ機能があり、プリセットがいくつか用意されています。
使用中は熱を持つことがありますが、ほんのり温かくなる程度で許容範囲かな、といった感じ。
一般的に販売されている据え置きのDACにはもっと大型のものもありますが、ゲーマーは机を広く使いたい人が多いと思うので、持ち歩き用途で開発されているこういったドングル/スティック型のDACは手軽に高音質化でき、なおかつ省スペース化できるのでかなりオススメできます。

ただし、KA17はUSBケーブルが煩雑になりがちなのでそこだけは工夫が必要かもしれません。


Conclusion

今回はFiiO KA17をレビューしてみました。小型のドングルDACでありながらパワフルさ音質低遅延を両立した素晴らしい製品だったことが伝わっていれば嬉しいです。
以下に良かった点と悪かった点を簡潔に紹介し、この記事を締めさせていただきたいなと思います。

Pros

  • 値段はこの手のドングルにしては少し高価だが、DACとして考えるなら安価。
  • 机の上のスペースを取らず高音質化を実現できる。
  • 本体で操作が完結し、UIも明瞭で分かりやすく簡単。
  • 低遅延なのでeスポーツ系のタイトルのゲームでも使用できる。

Cons

  • デスクトップモードに必要な給電用ケーブルが煩雑。
  • ユーザEQを設定するのに、現状ではAndroidのFiiO Controlアプリが必要。

ゲームに特化した機能等は一切ありませんが、その分音質に拘った商品でとてもオススメできます。ゲームの音周りに困っているけど、何を基準に選べばいいか分からない音楽も高音質で楽しみたいという方には本当にオススメです。

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